俳句紀行(霊山から梁川へ)



  
................
                                
                                   
                                                              

      






]




花影に山の碑一つ我寄りぬ

万作や苔生す山の石二つ

雲流れキクザキイチゲに日のさしぬ

風そよぎ空の青さに辛夷かな

誰か棲む春田二反に碑の一つ

一木に百の椿の見事かな

渓流のひびき絶え間なき椿咲く


 霊山

春訪ぬ山間深く小国かな

顕家の像に朝散る桜かな

祭られて神社を覆う桜かな

夕べ散る花のあわれや霊山城

山陰の霊山町や夕桜

霊山町泊り客あり夕桜

隠里滝のひびきに夕桜



梁川

国境を越えて芽吹くや朝の風

一族の墓に老樹の桜かな

草ダンゴ外は菜の花畑に人

ひびき合う雲雀の声や桃の花

山里や菜の花匂う家十軒

大岩のここに腰すえ梅香る


南北朝戦い陸奥の霊山城炎上悲話