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新 羅 古 都 冬 日
仏国寺の一段高き清浄の世界
かたや新羅式の石塔
かたや百済式の石塔
対なしてここに千歳の重み
真中に黄金の盧遮那仏
山上に国を見守るや
不動にして静寂心にしみぬ
石窟庵の石の盧遮那仏
北斗七星瞻星台の上に映り
統一の新羅は厳かに成りぬ
天馬塚に疾走する天馬の壁画
スキタイ、騎馬民族の躍動
金銅の王冠、玉葉の飾り
腰帯の金の魚、ガラスの杯、
角杯、ロシアカザフの剣、
シルクロ−ド経由の品のここにも
また「廣開土地好太王」と記されし壺
高句麗と新羅の歴史を語りぬ
再び王国の栄華は再現されぬ
太宗路を歩みぬ日本人二人
宮廷の御池の庭園にチマチョゴリの女性
優雅な曲水の宴の跡も落葉かも
長い塀に枝垂れし柳、赤々と散りし紅葉
七層の塔の三層の基壇残る古の都
朝鮮鐘のおもむろに大地にひびくや
冬の日ざしに荘重にして心静まる
落日映えて新羅王朝の都は暮れぬ
歓待のプルコギの味舌に残して
日本人の旅人古を偲び夜は更けぬ
新羅なる都や松に紅葉かな
石窟庵
不動なる石
不朽なる石
誠実なる石
清楚なる石
素直なる石
そなたは久しく
山中に忘れられぬ
冬の日静か
訪ねし旅人
しかしそなたの心は
変わらぬままに
膝に手を置きもの静か
千歳の時は流れぬ
千年変わらぬ清楚さ
世は変わり世は常に変転する
世はいつも汚濁の世
汚濁の世は変わらぬ
千年変わらぬ清楚さ
そが姿に心浄められる
不動なる石
不朽なる石
誠実なる石
清楚なる石
素直なる石
色心不二
六根清浄
浄土願求
石は仏となり
仏は石となる
無念無想にして
誰か作りしや知らじ
その仏の心にしみぬ
百済滅亡の余韻
百済は滅びぬ
その亡命の百済人
近江に根付き
百済の再興を夢見て
鬼室集斯その名を残す
滅亡の百済の悲劇
その恨みを残すもあわれ
我は韓国の旅の道連れは
大津の人なりしも
その人の熱く語るは百済の人の
残す石塔のありしと
まことこれ韓国にて見る
塔と同じなりしも
百済を訪れてあわれ
定林寺跡にその塔のあり.......................落花岩
ここに百済の滅亡の無念宿るや
寂然として一基残りぬ
悄然として化石のごとし
扶蘇山城に紅葉は散り重なり
白馬江の白砂の映えて
三千人の宮女はここに身を投げぬ
その落花岩に我は立ちて暮るる
国家創建の奈良の東大寺とにる
仏国寺に寺に二つの塔あり
一基は百済様式にて華美
一基は質実なる簡素な新羅の塔
文化の国百済は武の新羅に滅ぼされぬ
唐に新羅に大和三国の興亡の地
千年後もなお百済の夢や
美しき壺など滅びの跡から
夢のごとくに掘り出されぬ
武寧王陵は天皇の系譜につながるものと
大和の一人としてそこも訪ねて偲びぬ
旅路終え我はみちのくに帰りぬ
百済王と言われる人その名に誇り
みちのくに黄金を求め来たりぬ
その功により大君より位授かる
みちのくはその時エルドラ−ドとなる
百済は大和にとりて不可分の一国
歴史は二つの国に深く刻まれぬ
定林寺跡
晩秋百済
赫々大陸落日
百済滅亡悲嘆
寥落宮南池辺
日本征人暮秋
晩秋伽揶国
古の伽揶の国かも
海原を越えてわたるや
対馬の見ゆるとその沖や
今テジュンデ太宗台に松柏の緑
南海の晩秋の海は光りぬ
かなたは大和の国かも
太宗は新羅の王の名なり
その伽揶の国に残されしは
金銅の冠一つあわれ
古墳に埋もれありしを
伽揶の国は滅びけるかも
短き伽揶の国の栄よ
今ここに古を偲びて輝く
そを大和より来し旅人の見ゆ
ここに泊まりて偲ぶかな
しかし伽揶の国に新羅の築きし
山城の残りて興亡の跡
城門に晩秋の夕日や
伽揶の国は忘却されぬ
落葉してひそか晩秋の日は暮れぬ
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