a feel of touching
the cool stoned buildings
in the street of paris in spring
パリの春冷たき石の触れ心地
パリには何百年もの石造りの建物が残っている
西洋の文化は石に象徴されている。石の建築の文化である
石は冷たく理知的である、石は人を拒むところがある
一方日本の文化は木であり木の温かみから成り立っている
石の文化のル−ツは古い、イギリスのスト−ンヘンジがそうだし
巨石文化からギリシャからロ−マからゴシックの聖堂まで石の文化の継続の歴史がヨ−ロッパにはあった。石は容易に朽ちないし石は何千年も残る、自然よりも石に記されたロ−マのラテン語は残っている、ということは常にヨ−ロッパ人は歴史を自覚させられるのである。一方日本は水に流すとか歴史を継続的に自覚できない、忘れやすい民族と言えるのだ、伊勢神宮の社は20年毎に建て直されている
神の社さえ絶えず新しいものに変わる、日本人が常に新しいものを求めてゆくのはそうした文化によるともいえる。歴史を自覚しない、尊重しない民族はどうしても浮薄になり自らの依って立つ基盤を見失い混乱してゆく、ヨ−ロッパの歴史が石の文化にあるということは見逃せないし石の持つ意味を知る必要がある。
パリは石の情緒となる、とにかく下は石畳であり城も聖堂も
石であり石の街である、その石も歴史を帯びた石である
ロ−マでも古い石の柱が公園に転がっていたり石のかもしたず
情緒でありその石は常に歴史を語っている、日本人には石の情緒は理解しにくい、ヨ−ロッパにはその足下に常に歴史の石が土台としてありその上に文化が築かれている、法の普遍性を強調するのも不朽の変わらない石と関係している
石に刻む歴史
雨しととぬるしととぬる
石畳の道今日も暮れぬ
石また石のその荘厳さ
木は朽ちるも石は朽ちぬ
朽ちざる石に文字は刻まる
その不朽の石は歴史を語る
その石の重々しく厳かに
ギリシャをロ−マを聖書を語る
共通語はラテン語ヨ−ロッパユニオン
UNAは一つのユニオンの意味と
それらは不朽の石に刻まれぬ
大地の底に石の巻物に収められ
その大地とともに動かぬものなれ
石の本
石の文明
石の土台
石の安定
石の持続性
石の不朽性
石の合理性
石の冷たい理知
石の城壁に囲まれ
石の上に歴史は刻まれ
石の上に思索し
石に祈り石に囲み
石に刻む十字架
石の棺に眠る
石を離れて人はない
石がその足下にありて
石は朽ちず語り続け
石の寿命は木より長い
石はヨーロッパの歴史を作る
物のあわれと石の文化
物にもあわれがある
物もいつしか朽ちて消える
大地に自然に帰る
物も自然の中の一つの命として
その役目を果たし成仏する
しかし石は朽ちることがない
石は常に土台として残り
過去はなおも主張している
強い意志を持って主張する
意思は建設的であり永続の印
その土台から過去が立ちあがり
新たな建築のビジョンが成る
ルネンサンスは過去の歴史から
再構築され再創造された輝かしい成果
ルールは正にルーラーであり
定規が世界の尺度、支配の象徴
それは石のごとく強固である
ヨーロッパはこの石から組み立てられている
また石は厳格な理であり記録であり規範である
もののあわれの情緒を排斥す
石は人間の意志でもあり自然に朽ちるものではない
自然より人間の意志が強固なのである
ローマの城壁の上に木が根を張る
木よりその城壁の歴史は古いのだ
人工物の方が自然より堅固なのだ
その生は石により押さえつけられ
型が嵌められ石に刻印されている
ヨーロッパの歴史はこの石に刻まれている
ロ−マの長城の上に根を張った木(イスタンブ−ル)
錯綜し交わる世界の人々
ブルガリアで遺跡で発掘をしている青年がいる
ヨーロッパは石だから残っていて魅力があると
その教会の遺跡に寄り今日も日が暮れる
帰りは農夫のロバにのせてもらう
そういえば絨毯屋経営のイスタンブールの宿にも
ブルガリアの絨毯が飾ってあった
それはキリスト教の司祭が描かれていた
主人がいいだろうと勧めていたが
イスラム教のトルコでは変だとも思った
トルコまでがアジアだという
オ−ストリアはオスマントルコの侵入で打撃を受けた
コヒ−はトルコがもたらしたものだった
紅茶もコヒ−もアジアからもたらされた
イスタンブールにアフガニスタンの人が
革製品売りにきていたが日本人とそっくりだった
今世界中に日本の青年が協力隊やら旅行で
現地の人と汗を流しまた旅行で交わっている
アフリカまで旅行して食い物がなく
鶏をつぶしてもらい食ったが高かったとか
二年も世界を放浪している者も安宿にいる
地中海の船ではイスラエルで働いた青年と一緒だった
こっちは働くのがルーズだから日本よりいいとか
イスラエルは物価高いので出稼ぎ者が来ている
ミャンマーの人が船のサービス係だった
いたるところに日本人がいる
エジプトのハルガタではオランダの日本食堂に
三年間働いている青年とか
なんでデンマークに中国人が生活しているのか
中国人はどこにでもいる
デンマーク語とドイツ語はにている
インドでシタールを習いオランダの大道で弾き金をもらう
ベナレスにそいう青年が実際にいた
とにかくいろんな人が世界で働き旅行し交わっている
ネパールの日本食堂ではブータンで働く青年協力隊に会い
ポカラでは両親を亡くした宿無しの青年と会い
インドの金は大きい金だというのでくれてやった
学校にも行かないのに観光客と交わり英語を覚えたと
ガイドは今日も上る、重い荷物を背負い上る
ロバが列を成して山道を上り荷を運ぶ
ネパール人はインド系統、アーリア人種の鋭角的な顔の人と
アジア系の日本人ににた人やモンゴル系の顔立ちの人など多様だ
カルカッタでは働く所がなく路上に寝ているネパール人に会った
そいえば東北の田舎町にもスリランカの出稼ぎの青年が来て
工場の事故で指二本切ったが
多額の保険金をもらい今ではレンガ工場を持つ社長になっている
椰子の木に囲まれた家に住んでいる写真を見た
日本に入って来るものがあれば
アルジェリアの方に石油関係の仕事に出ている人もいる
そんな遠くで働く人もいる
その人がローマの遺跡のトイレの石の便器に座る
石畳の道には馬車の車輪の跡が刻まれている
いかなる思いにふけるのかこれも奇妙なことである
その人は京都の山科のマンションに住んでいる
ああ 今はいかに歴史や国を飛び越えて錯綜することか
雲南地方の森林が50%から8%になり長江の洪水の原因になったとか
その泥水は海を濁らし日本海までの塩分の濃度を薄め
魚の餌のプランクトンを減らし漁業に影響を与える
やはりどうしたって地球はつながっている
人も自然も一つの地球の上にある
インドの暑さで頭がくらくらし砂漠の砂でカメラをだめにし
貧窮の乞食に追いかけられ日本の金をやり
ヒマラヤの連峰を飛行機より望む
アメリカのアムトラックで一緒になったのは韓国の人
かわいい子供がいた、その子はインディアンとメキシカンのハ−フ
ロスのリトルトウキョウでは演歌が流れメキシコ人のウェトレスが働く
芸術の都のパリにも多くの日本人がセ−ヌの辺りで感傷にふけっている
すでに日本人の旅人や滞在者のため息ささやき、・・・が石にしみている
アフリカ人が日本のテレビ番組でヨ−ロッパの憎しみを鬱憤を晴らす
今地球の上に生きる人達の鼓動がダイレクトにひびきあう
肌の色を国の障害を越えて日々多くの人が熱く交じり合う
これは避けられぬ運命だ、鎖国はもはやできぬのだ