角丸(△○)市のいわれ(小林勇一)
狸の町の町長がいいました。
「おらの町の名は角△がついています、この△はどうしても残したいのです」
狐の町の町長がいいました。
「こちらは丸○がついているからこれも残したい」
そこにもう一つ猿の六角町というのがありました。
猿の六角町の町長がいいました。
「この六角という字も入れてくれないかな」
それで鴉がかあかあ、あほあほと鳴いていいました。
「どちらも残すには角丸しかないよ、△○市でいいじゃないかい、六角はめんどうだから入れられないよ あほあほ」
狸の町の町長も狐の町の町長もそれで納得しました。
でも猿の六角町の町長は納得いきません。
「なんとか六角を入れてくれよ」
「六角を入れるとややこしくなるよ」
「そうだな、六角は無理だ、入れることできないよ」
「そういわずに、なんとか入れてくれよ」
何度も猿の六角町の町長はたのみました。でも受け入れられませんでした。
「じゃいいよ、俺たちの町は合併しない、合併からぬける、自分たちだけでやっていくよ」
こういわれて狸と狐の町長は困りました。
「どうする、・・・」
「どうするといっても、六角を入れるとめんどうになる、六角丸市とでもするのか」
「それがいいじゃないか、六角に三角に、丸を合わせて六角だよ」
これは一時乗り気になりましたがやはり変だとなりとりやめになりました。
相談の結果やっばり六角は受け入れないことがきまりました。
「じゃ、俺たちは合併からぬけたよ、・・・・」
こうして六角町は合併からぬけて独自に町作りすることになりました。
そして狸と狐の町の町長は言いました。
「六角町がぬけたのはしかたないな、猿の町は去ってしまったか?」
「ともかく鴉はやっぱりかしこい、知恵者だ、かしこい、めだたい、めでたい・・・」
こうしてここが角丸△○市になりました。それでも一時六角丸市が話題になったので六角丸という町の旗印が試みとして作られたりしました。
これが平成の大合併の一つの話し、笑い話や子供の作った落語でした。平成は平和な時代、これもそんな平和な時代を象徴する日本全土をまきこんだ話でした。