美瑛、丘の町(小林勇一)

緑なす丘また丘よ

残雪の十勝岳の重厚に映えて

黄金に輝く一面のタンポポ

ポプラは五月の空に真直ぐに

緑なす丘また丘よ

畑はまた新しく耕されて

爽やかな風が吹きそよぐ

郭公の声は丘から丘にひびきわたり

心地よく雪解け水の流れはひびく

旅人来たりて丘を上り下りぬ

街はチュ−リップに映えて

駅は新来の客を迎える

緑なす丘また丘よ

延齢草の木洩れ日に咲き

ここに健やかな日々のあれ

美しき日々を織りなせ

放牧の牛は新鮮な乳を出して

忍耐強い日々をここにおくる

ポプラは真直ぐに五月の空に伸びる