月夜畑

今回阿武隈山中を自転車でまわって細田というのもその一つだった。細田とはどこにでもあるし姓でもありふれたものだったが細田の意味とか細田についての由来がわからなかったが阿武隈の山の中の細い田を見てなるほどまさに「細田」だった。これに気付くきっかけは「細田」へ行く道を農作業している人に尋ねたときだった。百目木(とどめき)とはこれはまさにトドロク、ドウメクとか音から来た地名でありこれもトドロク流れのそばにぴったりと町があった。これも地名とぴったりの名前であった。

そしてその近くの地図を調べていたら「月夜畑」とあった。これも細田のすぐ近くにあった。これも不思議な名だなと思いインターネットで検索したら「月夜畑」の由来がでていた。ここで相馬藩との合戦もあった。それより月夜畑とは

秋の日は、つるべ落しと言われて短い。晴天ばかり続かぬ年もある。人手不足の家では、天気を見定めて夜業(よなべ)に稲刈りをしないと、世間並に取り上げが終らないので、夕飯もそこそこにして田甫に急ぎ稲を刈る。小学生の子も手伝いにかり出される


これはなるほどと思った。月の明かりで稲刈りするから月夜畑となった。細田といい、月夜畑といいなにかそこから山の生活が浮かんでくる。ここに地名の面白さがあるのだ。旅はこうした知識がないと面白くないのだ。外国では地名についてもわからないことが多すぎてせっかく行ってもわからずじまいになるのである。それにしても月夜畑は詩的な地名でもある。でも実際地名は切実な暮らしの中から生まれたことがわかる。インターネットはこういう特殊なものだと意外とでてくるのだ。月夜畑とは他にもあるからだ。


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