蘇州春情

双塔




北塔
拙港



















寧波鼓楼


俳句編
寧波の鼓楼の古りて朧月

洋々と春の大河や六和堂

白木蓮百輪下に六和堂

菜の花や蒸気機関車今も行く

春の日や大地をぬうて大河かな

一村や水路に写る春の山

     蘇州

春寒し双塔古りぬ蘇州かな

双塔に春満月の曇るかな

双塔の古りて蘇州や春の暮

春愁や塔傾きて蘇州かな

舟泊めて春の街の灯蘇州かな

木蓮に西湖の静か細き雨

賓館は西湖の岸辺春の月

誰が舟や蘇州のあわれ春の夕

漢の春運河にあまた船尽きじ

民の舟菜の花畑寒山寺


短歌編

寧波の暮れて楼門行く人の往来しげし春月光る

船の入り船の出て行く揚子江広々として春の月かも

天童寺の松の古りにき参道を日本人帰る春の夕暮

柳の枝乙女手折りて写真とる西湖の岸辺の石橋の上

波たたず西湖の岸辺木蓮の雨にぬれ散り暮れてひそけき

空曇り双塔古りてその庭にただ木蓮の白き花散る

旅人の橋にたたずむ蘇州かも舟の行き来や春の夕暮

我が泊まる蘇州の宿の窓の辺に春の満月双塔の影

北塔のますぐに厳し街路樹の枯木の道を歩み見上げぬ

城壁の古りて残りぬ舟付き場柳しだれて春の夕暮

入れ代わり舟の絶えじも水の上人の暮らしや蘇州の旅路

橋わたり蘇州の水路古りにけり柳しだれし春の夕暮

城門を入りて古銭を売る人や春の夕暮蘇州の旅路

城壁の上を歩みて木々芽吹き瑞光塔の春日に映えぬ

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